リサイクルショップ(古物商)が盗品を買取してしまうと

リサイクルショップ(古物商)を運営していますと中には盗品を持ち込む方がいます。

そんな盗品を買取してしますと、とても面倒な事に巻き込まれてしまうばかりか金銭的にも損をしてしまいますので盗品を買取してしまった場合にはどんな事が起きるのを調べましたので書いて行きます。

今回は盗品を買取してしまいましたお店側の話となりますので、購入者側のお話はまた別の機会に書きます。

リサイクルショップへ盗品を売りに来るにはどんなパターンが

自転車や工具、ブランド品などの盗品をリサイクル店へ売った話はニュースなどでよく耳にしますが、どの様な感じで持ち込まれているのか考えて見たいと思います。

1.建設現場や事務所などから盗んで来た工具や発電機、設備用部材などを持ち込む方がいるようで、何度も持ち込んで来きたり数が多い場合には注意が必要です。

2.駐輪場から盗って来た自転車を持ち込みする方がいます。

3.会社の備品や倉庫から商品を盗って来る方がいるようですので、何度も買取依頼がある場合には注意が必要です。

4.彼女や友達の物を勝手に売る人もいるようで、同棲している、家に出入りが多い場合などで見られるようです。

その他にも色々あるようですが基本的には盗品なのか違うのかは見分けは付かないのが実情です。

何度も同じ商品を持ち込んで来るようですともしかしてなど感じる部分もありますが、クレジットカードで購入して現金化している可能性もありますので。

何かおかしいと感じる部分がありましたら、買取を断る事が大事です。

古物商では盗品と思われる品を買取した場合には当該の警察へ連絡する必要があります。

盗品を買取後の問合せ

買取をしてしまった後に盗品の問合せを受ける事がありますが、どんな問い合わせがあるのかを見て行きたいと思います。

いくつかお聞きしました、実例を書いて行きたいと思います。

盗まれた本人から買取の問い合わせがくる

盗難にあった人には盗まれただけなのかリサイクル店へ買取に出しているのかは分からない為、盗まれた本人から直接連絡が来るパターンは稀な事だと思いますがいくつか例がありますので見て行きたいと思います。

1.リサイクルショップ(古物商)の方がヤフーオークションに出品していて盗難にあった方がヤフーオークションを見ていて品物の特徴が盗まれた物と一致する場合に盗まれた物のため確認をしたい、返して欲しいなど問い合わせを受けると言う事例がいくつかあります。

2.家に出張買取に出向き買取を済ませた後に同棲している方から売った物全部自分の物なので返して欲しいと。(この場合は買取伝票を渡していた為、買取伝票からリサイクルショップへ売却した事が判明したため直接連絡が来ました。)

盗品だから返してと言われたら?

盗品だから返してと言われたら返さないといけないのでしょうか?

この段階ではまだ事件になっていないため返す必要がありません

盗まれたと言う事も虚偽の申請かも知れず、公的機関でも何でもない一個人が物を下さいと言っているにすぎません。

正規の手順で買取を行っている場合には現時点では買取をしましたリサイクルショップ(古物商)に所有権があります。

なのでただ返して欲しいと求められただけでは返還する必要がありません。

リサイクルショップ(古物商)は盗品を買取した場合には無償で返還する義務がありますが、どう言う場合に返還する必要があるのでしょうか?

警察から買取の問合せがくる

盗まれた本人が盗難の被害届を警察に出して受理されたのち事件になりますと警察から各リサイクルショップ(古物商)へ買取をしていないか問い合わせが来たり、古物台帳の確認にお店に来たりします。

盗品を買取していた場合には「警察から返すように言われる」もしくは「証拠品として警察に提出するよう」要請を受けますと持ち主へ返還等をしないといけません。

第二十条 古物商が買い受け、又は交換した古物のうちに盗品又は遺失物があつた場合においては、その古物商が当該盗品又は遺失物を公の市場において又は同種の物を取り扱う営業者から善意で譲り受けた場合においても、被害者又は遺失主は、古物商に対し、これを無償で回復することを求めることができる。ただし、盗難又は遺失の時から一年を経過した後においては、この限りでない。

と古物営業法で定められており、盗難品を買取して1年以内ですと無償で回復とありますので無償で返還しなくてはならないとなります。

持ち主→犯人→古物商という場合には古物商は無償で返還しないとなりません。

また同種の物を取り扱う営業者から善意で譲り受けた場合とありますので、古物商の業者間で売買されている場合には最終的に持っている古物業者に返還を求める事が可能となります。

持ち主→犯人→古物商A→古物商B

と言う構図の場合には最終的に物を持っている古物商Bに対して無償で返還を求める事が可能となり、古物商Bは無償で返還しないとなりません。

 

一方で善意の第三者に売却済みの場合には民法194条に定められる

占有者が、盗品又は遺失物を、競売若しくは公の市場において、又はその物と同種の物を販売する商人から、善意で買い受けたときは、被害者又は遺失者は、占有者が支払った代価を弁償しなければ、その物を回復することができない。

持ち主→犯人→古物商→善意の第三者

と古物商の方が一般の方へ売却済みの場合には、善意の第三者の方が購入した代金を支払わなければ返してもらう事が出来ません。

(占有者が支払った代価を弁償しなければ、その物を回復することができない)となっていますので。

売却済みの場合には古物商への請求、返還を求める事が出来ません。

古物台帳など確認して行きます

盗品の買取が特定されましたら、警察は古物台帳を確認して行きます。

記載した住所、名前、電話番号などの個人情報と身分証明書などの確認方法、手続きなどに付いて詳しく聞かれたりします。

買取を行う古物商は古物台帳を付ける義務がありますが、当たり前に行う事ですのできちんと日常的に買取伝票や古物台帳を付けて正しく営業している分には何も問題は無いと思います。

盗品を買取した時のまとめ

警察から盗品であるので返還するように求められた場合には、品物を返還しないとなりません。

上で述べたように返還は無償で行いますので、買取した際の盗んだ人へ払った代金分損をする事になります。

 

この様に手間のかかる事が増える上に買取分の代金を損する事ばかりになりますので注意が必要です。

故意に盗品を買取している場合には逮捕される場合があり、古物商許可も取り消しになります。

リサイクルショップを始める方は注意しましょう!